暗殺国家ロシア

皆さん!

ロシアと言えば連想するキーワードは何ですか???

プーチン」「スターリン」「レーニン」「スパイ」「KGB」「ソ連」「ドーピング」
「T34」「IS2」「KV2」「日露戦争」「ゴルバチョフ」「フルシチョフ」「東方正教
プルシェンコ」「革命」「スラブ人」「バイカル湖」「ウラジオストク」「モスクワ」
スターリングラード攻防戦」「レニングラード」「冬戦争」「独ソ戦」「冬宮」
クレムリン」「赤の広場」「クリミア併合」「チェチェン戦争」「AK47」「南下政策」
タンクデサント」「人海戦術」「FSB」「ドラグノフ狙撃銃」「モシンナガン」「ノビチョク」...etc

キーワードを適当に列挙しましたが、
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今回取り上げるのは「暗殺」です。
ロシアが起こしたとされる暗殺未遂事件として、
プーチンアレクセイ・ナヴァリヌイ
毒を盛られた事件が記憶に新しいですね。

2020年8月20日
 ナヴァリヌイ氏、体調不良を訴えた後、意識不明の状態でロシア中南部オムスクの病院に入院。側近らが「政権に毒を盛られた」として欧州への転院を求めた、病院側が当初、転院を拒んだが22日、ベルリンに特別機で搬送された。
朝日新聞2020年8月26日朝刊

2020年12月14日
 英調査報道機関ベリングキャットによると、ナヴァリヌイ氏が搭乗した飛行機の乗客リストや携帯電話の通話記録などを分析した結果、FSB(ロシア連邦保安局)の化学兵器専門グループの工作員8人(3人はナバリヌイ氏と全く同じ旅程で行動し、メンバー間で頻繁に連絡を取り合っていた。)の関与を突き止めたという。ベリングキャットは「信じがたい数々の偶然の一致を考えると、無実の立証責任はロシアにあるように見える」と発表。
 ナバリヌイ氏は8月の事件の数日前、モスクワからシベリアのノボシビルスクまで飛行機で移動し、陸路で約200キロ離れたトムスクに移り、同市からモスクワに戻る機中で意識を失った。朝日新聞2020年12月17日朝刊

ナヴァリヌイ暗殺未遂事件はロシアの治安機関、FSB工作員によるものであるとされています。

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 ナヴァリヌイ暗殺未遂事件後にナヴァリヌイが帰国すると、
ロシア国内で、彼を拘束する動きが起きた。

2021年1月27日
 ロシア当局に拘束された反政権活動家、アレクセイ・ナバリヌイ氏の釈放を求める全国デモをめぐり、情報通信監督当局が27日、主要なSNSと動画投稿サイトのユーチューブの運営企業に罰金を科すと発表した。未成年にデモへの参加を呼びかける違法な投稿を削除しなかったとの理由だが、プーチン政権は抗議の拡大を警戒し、強圧姿勢を強めている。
朝日新聞2021年1月29日朝刊

2021年2月20日
 ロシアの法廷で検察はナバリヌイが療養先のドイツで所在を通知せずに行方をくらましたなどと主張。ナバリヌイ「私の所在は世界中が知っていた」と訴えたが裁判所は2年6カ月の禁固を決定した。朝日新聞2021年2月22日朝刊

2021年2月25日
 ロシア、ナバリヌイがモスクワ市内の拘置所から刑務所に移送された。移送先は不明。
朝日新聞2021年2月27日朝刊

2021年3月2日
米バイデン政権がナバリヌイの事件をめぐってロシアに初制裁
朝日新聞2021年3月7日朝刊

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ナヴァリヌイプーチン政権の批判を行ってきた。

それこそが彼の暗殺未遂事件実行の理由だ。

類似した事件の一部を提示する。

2006年、アンナ・ポリトコフスカヤ、モスクワの自宅前、銃殺死体で発見。
2013年、ボリス・ベレゾフスキー、亡命先の英ロンドン郊外、自宅にて首吊り死体で発見。
2015年、ボリス・ネムツォフ、モスクワ中心部路上、銃殺死体で発見。
2018年、セルゲイ・スクリパリ、英で神経剤による中毒死。

いずれの人物もプーチン政権批判的であったか、政治において対抗勢力に属していた。
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ロシアでは、「敵」に対しての「攻撃」合法にする動きと
「敵」「定義」拡大する動きが起こっていた。

2006年7月
 ロシア下院、”ロシア体制の敵”の暗殺を許可する法律を全会一致で承認、プーチン大統領テロとの戦いのためであれば、詳細を議会に報告する必要なく、FSBや軍などの情報機関を使って国内外を問わずテロリストを殺害する作戦を行う権限を与えた。
寺谷ひろみ(2007)『暗殺国家ロシアーリトヴィネンコ毒殺とプーチンの野望』学習研究社38ページ、朝日新聞2006年11月22日朝刊

2006年7月27日
連邦保安局法の第9条第一項が改正。大統領の決定に基づいてFSBの特殊部隊をロシア連邦の安全保障上の脅威を取り除くために海外に派遣できるようになった。
塩原俊彦(2008)『ネオKGB帝国 -ロシアの闇に迫るー ユーラシア選書12』東洋書店、12ページ
 
2017年12月20日
 ロシア、秘密警察100周年、国営ロシア新聞でアレクサンドル・ボルトニコフFSB長官「我が国は一度ならず、敵対国による攻撃対象となった。敵は公然たる戦闘によって、もしくは(ロシア)国内の裏切り者を支えにして、われわれに勝利しようとした。(中略)ロシアの破壊はいくつかの国にとって今日まで頭にこびりついた考えとして残っている
遠藤良介(2018)『プーチンロシア革命河出書房新社、254ページ

2018 年1月
プーチン氏は今月、ナバリヌイ氏について「米国やその他の国が当選させたがっている人物」と言及。朝日新聞2018年1月28日朝刊
 

2019年12月9日
 プーチン大統領、外国メディア情報を発信する個人も「外国の手先(エージェント)」に指定して規制対象とする再改正マスコミ法に署名。
産経新聞2017年11月27日、讀賣新聞2019年12月4日

2020年12月4日
ロシア上院、領土割譲の主張に対して最大禁固10年とする刑法改正案を可決(8日に成立) 産経新聞2020年12月5日、産経新聞2020年12月9日